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トップ >> 電気電子系教材 >> ファジィ倒立振子制御実験装置(Windows版) >> ファジィ制御について-振り上げ倒立振子について

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ファジィ制御について

振り上げ倒立振子について

倒立振子

子供の頃に、手の上に立てた棒を倒れないようにして遊んだことはたいていの人が経験していることです。その時どのようにして棒を倒れない様に立てていたかを思い起こすと、目で棒の動きを追い、その情報から判断し手をうまく動かすことにより棒を倒れないようにしていました。このことは、制御理論を知らない子供が無意識のうちにフィードバック制御を体験していたと考えられます。

このファジィ制御実習キットでは人間の手がアーム(腕)に相当し、アームを動かす筋肉の働きをモータが行っています。アーム先端のポテンショメータ(可変抵抗器)及びアームの中心にあるポテンショメータが、人間の目のかわりに振子の傾斜状態やアームの位置情報を提供することになります。

倒立振子が制御の対象として利用される理由は、実験装置が比較的安価に制作できること、倒立した振子はなにもしなければ倒れてしまう(不安定)ために制御の必然性があり、制御がうまくいったかどうか一目で確認できる利点があること、があげられます。

このことを自動制御で解決する代表的な手段として、現代制御理論やファジィ制御理論があります。

  • 現代制御理論における線形制御理論では、制御対象の特性を表現するモデル(状態方程式)を正確に導出し、それに基づいてコントローラの設計を行います。
    簡単に説明すると、まず運動方程式をニュートン力学を基にアーム・振子(水平方向・鉛直方向・回転方向)について求め、振子の傾斜角が微小であると仮定することにより、求まった非線形な微分方程式を線形化し、さらに、線形制御理論で通常使用されるモデルに時間関数を定義し変形することでモデル(状態方程式)を得ることが出来ます。
    求まったモデルに対し、1次系2次系の安定性・可制御性・状態フィードバック制御による安定性・極配置法によるフィードバック=ゲイン設計・パラメータ同定等を理解しコントローラの設計を行います。

  • 一方ファジィ制御においては、力学や現代制御理論や数学を熟知・駆使するのではなく、人間の得た経験・勘・コツを基に制御を行わせようとするものです。
    倒立振子制御の場合、ほとんどの人はあらかじめ何らかの経験を既に得ており、新たに経験を積む必要もなくその制御方法を口頭で表現することが出来ます。
    その口頭で表現できる内容を、ファジィの場合、メンバシップ関数に置き換え表現することができれば比較的簡単に振子を立たせる事が出来ます。ちなみに現代制御理論で説明した程度の内容であれば僅か5行のルールで制御が可能です。
    その経験則は我々が既に子供の頃に身につけた程度のものであり、さらにこの「ファジィ倒立振子制御実験装置」では倒れた振子を振り上げ、受け止め、ほぼ真ん中でバランスさせるまでを11行のルールで実現させています。ただし、装置の設計(特にモータの選択)に際しては計算を必要とし、定格にあった機器の選択が必要になります。

振り上げ倒立振子

ファジィ振り上げ倒立振子のルール作成手順は、最初に振子を倒立状態で立たせるルールを考え、実際の動作を行いながらチューニングします。次に倒れた振子を振り、倒立状態まで上げるルールを考え、程良いモータ速度になるようチューニングします。
最後に、振り上がった振子を上手に受け止めることを考え、より安定に振り上がった振子を受け止められるようにチューニングします。
以上のルール作成順序は、実際にこの装置を開発した時の手順で、最初は倒立状態で立たせることまでで完成していたものに、さらに振り上げ動作を付け加えたものです。
尚、ルール総数は11ルール使用されていますが、右左については同じ考え方なので、実際には 11/2=5.5 即ち6つの考え方のみで実現できます。

  • 振子を倒立状態で立たせる
    ルールNo.1〜3
    振子が傾いた方向にアームを動かす
    ルールNo.4,5
    ルールNo.1〜3だけでは、アームが振子を追いかけたままとなった場合、ストッパ位置まで行ってしまうので、それを防止するために追加する

  • 倒れた振子を振り上げる
    ルールNo.5,6
    振子の位置とは逆にアームを動かす

  • 振り上がってきた振子を受け止める
    ルールNo.9,10
    振子が振り上がってきたとき、振子を立てに行く。迎えに行くと、振子が回転運動を起こしてしまうので、それを防止するため、アームを逆に逃がし振子を受け止める体制を作る
    ルールNo.8,11
    さらに振子の勢が衰えず受け止められない場合、アームを逃がす

参考図:ファジィルールの設定

PDFパンフレット(580KB)  (C) 2004 ADWIN Corp.