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ディジタルIC実験回路C NAND 素子を利用した実験回路
NAND素子はNAND GATE とも呼ばれます。
ゲート、つまり門を信号が通過できるか否かを制御できます。
図38にゲート回路としての利用例を掲載しました。もしスイッチS1がオンの場合、S1に接続されている入力は常に“L”です。そのために信号入力が“H”、“L”にかかわらず常に出力は“H”になります。
つまり信号入力の信号を遮断することになります。
CMOSの場合電圧入力ですから入力端子は1MΩの抵抗を接続してもOKです。こうするとスイッチS1がオンの時に流れる電流も数μAと低く抑えることができます。
具体的に実験して見ましょう。下図に配線パターンを書き込んでみましょう。
ブレッドボードはICのピンや接続線材を挿入できるような穴のあいたプレートです。ブレッドボードにも各種ありますが、ここで利用するものは一番上の横並びの穴が、奥の方で電気的に接続されているものです。そのすぐ下の横並びの穴も同様です。
そこで、この穴列を電源とグランドとして利用します。さらに下の方の、縦方向に5つ並んだ穴も、奥の方で電気的に接続されています。
現在TC74HC00AP 、抵抗、LEDはすでに挿入してあります。LEDのカソードと330Ωの抵抗とは同じ囲みの中の角穴に挿入することで電気的に接続されたことになります。1MΩの抵抗もTC74HC00 のピン1とすでに接続されています。
下図に図38の回路の配線パターンを書き込んで、動作を確認してください。具体的に手を動かして確かめることが大切です。
実験回路C NOT 回路3の配線

図38のNAND回路の実態配線図の例を示しておきました。
これはあくまでも正解の中の一例にすぎません。いろいろな配線パターンを試してみてください。

図39はCDSセルをNAND素子の入力として利用した例です。
CDSセルは光があたると抵抗が30Ωくらいまで低下する性質を持っています。
離れた2点にCDSセルを設置しておき、この回路のように接続すると2点のどちらも十分な明るさの時にLEDが点灯します。
どのような明るさで点灯させるかは100KΩの可変抵抗で調整します。大切にしている植木にあたる日光が強いときは薄い日よけカバーをかけるようなときに利用できますね。
また、光ではなく温度センサーで回路を構成することもできます。
抵抗値は実際に利用する条件に合わせて適正な値にしてやれば良いでしょう。

図40は,CDSセルと可変抵抗器の接続を図39とは逆にしたものです。
こうすると2つの地点が同時に暗くなった時に限り、LEDが点灯することになります。公園が暗くなったら水銀灯をつけるというときなどに利用できますね。
また、常に光を当てるようにしておくと、2つのCDSセルの位置設定により、光を遮るものの判別なども可能でしょう。
沢山のCDSセルを使うことで部品形状の判別や姿勢が正しいかどうかなどの判定もできそうですね。
勿論、実用的な回路にするためには沢山のハードルがあると思われますが、電子技術の応用はアイデアからスタートです。身の回りの電子技術応用例を考えるのは楽しいものです。
NAND 回路の回路例1
ではここで右図の課題に挑戦して下さい。
3つの地点が同時に暗くなったときに限り、LEDが点灯する回路です。
NAND素子が4つですからTC74HC00 が1個でできますね。どのように接続すれば良いのでしょう?
先に解答例を見ると「何だ簡単じゃないか!」ということで考える訓練になりません。自分で考えることが大事ですので、最低でも5分間は考えて下さい。
解答例を下図に示します。
NAND素子をインバータとして利用するというのがこの回路のキーポイントでしょうか。

2つのCDSセル入力は,1個のNAND素子の2入力にそのまま接続します。
2つの入力が両方とも“H”のとき、出力が“L”になります。この出力をもう1個のNAND素子をインバータとして接続して、3個目のNAND素子の入力として使います。3個目のもう1つの入力ピンには3個目のCDSセルを接続します。
これと同じ機能は“ 74HC10 ”という型番の3入力NAND−ICの素子1個で実現可能です。
また“ 74HC30 ”という型番のICには、8入力NAND素子が1個入っています。これだと8ヶ所の地点が同時に明るい、あるいは同時に暗いときにLEDを点灯する回路を簡単に作成できます。
さらに老婆心ながら、ある個所は明るい、そしてある個所は暗いという特定の条件の時だけLEDを点灯させるといったこともインバータを追加することで可能です。
技術の世界では、あることを実現するのに正解はひとつではありません。2入力NANDを使うことの方がベターという場合もあります(価格が安い、入手が楽など)。
柔軟に考えることが大切ですね。
ところで、ワンマンバスに取り付けられている下車通知ボタンはご存知ですね。(正式にはなんと呼ぶのかはわかりませんが…) バスの中のいたるところに取り付けられています。バス停で停車すると、点灯していたランプが消えます。次のバス停で止まって欲しい人は、どのボタンでも良いので押します。そうするとブザーがなり、ランプが点灯します。これで運転手は次のバス停で降りる人がいることを知り停車します。誰かが押した後、ランプが点灯した状態でボタンを押しても何の変化もおきません。
この回路は押されたということを記憶する回路を持っていますが、ここではその前の、「どのボタンを押してもブザーがなり、ランプが点灯する」までを考えて下さい。下図にスイッチS1からS5のどのボタンを押してもLEDが点灯するように、回路図を完成させてください。(a接点とb接点、どちらを使うかがキーポイントになります。)
ただしS0がオンのときにはS1からS5がどのような状態でも、LEDは点灯しないようにして下さい。
NAND 回路の回路例2
左図に、スイッチS1からS5のどのボタンを押してもLEDが点灯するように、回路図を完成させてください。
(S1からS5スイッチのa接点とb接点、どちらを使うかがキーポイントになります)ただしS0がオンのときにはS1からS5がどのような状態でも、LEDは点灯しないようにして下さい。
解答例を下図に示します。
ちょっと考えると「どのスイッチでもOKなんだからOR回路かな?」と思われた方もいらっしゃると思います。OR回路は並列というのが一般的ですが、ここではスイッチを直列に接続しています。柔らかな頭で考えることが必要ですね。
この回路は防犯設備にも利用できます。外部の侵入者が回路を切断しても警報が発生するようにしたり、ずべての窓やドアにこの方式のスイッチを設置します。OR回路でスイッチを並列接続する場合に比較して配線の数を大幅に削減できます。

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